サン=テグジュペリ「星の王子さま」あらすじ&相関図で解説

フランス文学/アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

「きみが星空を見あげると、そのどれかひとつにぼくが住んでるから、そのどれかひとつでぼくが笑ってるから、きみには星という星が、ぜんぶ笑ってるみたいになるっていうこと。きみには、笑う星々をあげるんだ!」

―星に帰る王子さまがパイロットに告げる、別れの言葉ー

【読書指標】  

文章難解度 ★★☆☆☆

物語の長さ ★★☆☆☆

要背景知識 ☆☆☆☆


大切な人って、運命で出会うの?
それとも一緒に費やしてきた時間の大きさが、運命の人を決める?
純粋だった幼少期の心を取り出したい大人にお勧めする、著者本人の挿絵付きで読みやすい人生の指南書!
星空を見上げて笑顔になれるよう、子どもにも読み継がせておきたい一冊です。
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主要人物を4人だけ覚える

ざっくり相関図

シーン別:攻略ポイント

①6歳のときに描いた絵が理解されず、挫折して大人に

サン=テグジュペリの親友であるレオン・ヴェルトへの献辞に続き、6歳だった頃のパイロットが描いた絵についての話が始まります。
ゾウを丸呑みした大蛇ボアの絵…自慢の傑作を大人たちに見せるも、帽子にしか見えないと言われて傷つき、絵を描くことに挫折したとのこと。
子供心が分からない大人たちを批判しますが、僕も正直、今でも帽子にしか見えません…ゴメンなさい(笑)。そしてパイロット自身も、そんな大人たちの仲間入りをしていきます。

②不時着したサハラ砂漠で、星の王子さまと出会う

それから操縦士となって、サハラ砂漠に不時着したパイロットは生死を賭けた飛行機の修理にひとりで挑みます。そこに突如、星の王子さまが登場!
こんなにも切羽詰ってるときに…羊の絵を描いてほしいと執拗にせがまれます(笑)。
仕方なく厄介払いのように、木箱だけ描いてこの中に羊がいると説明して渡すと、王子さま大喜び!
そんな王子さまは、小惑星B612という一軒家ぐらいの小さな星から地球にやってきたようで、星を覆いつくしてしまうバオバブの木の芽を食べる羊が欲しかったのです。

③小惑星B612で一輪だけ咲いていた、美しいバラとの思い出話

でも羊は花まで食べてしまうんじゃないかと心配する王子さま。
その花は星に一輪しか咲いていない美しいバラで、王子さまはとても大切に育てていました。

④バラと仲たがいして別れ、6つの小惑星を旅して地球に来た経緯

しかし、見栄っ張りでプライドの高いバラに嫌気がさした王子さまは、小さな自分の星を出て6つの小惑星を旅していきます。

  1. 王さまの星(おとなって変わってるな…)
  2. 大物気どりの星(おとなって、やっぱり変だ…)
  3. 酒びたり男の星(おとなって、やっぱりすごく変だ…)
  4. 実業家の星(おとなってやっぱり、まったくどうかしてるな…)
  5. ガス灯と点灯人の星(友だちになれそうだったのは、あの人だけだ…)
  6. 地理学者の星(ぼくの花は、はかないんだ…)

そして地理学者に薦められるまま、王子さまは地球にやって来ます。

しかし地球には111人の王さまと、3億1100万人の大物気どり、750万人の酔っ払い、90万人の実業家、46万2511人のガス灯の点灯人、7000人の地理学者がいたのです!

⑤キツネに諭されて、バラの庭園で王子さまが感じた大切なこと

砂漠で「星に帰りたくなったら毒で力を貸す」というヘビと会う王子さま。

庭園でたくさん咲いているバラを見て、星で大切に育てていたのはただの一輪のバラだったとショックを受けて泣いてしまいます。

しかし、友だちになったキツネに「見た目の形ではなく、大切なのは絆」だと教えられ、星のバラだけが自分にとっての大切な存在だと気づいて、星に戻ることを決意します。

⑥小惑星B612に帰る、王子さまとのお別れ

とうとうパイロットの持っていた水が尽きてしまい、王子さまと井戸を探すことに。

砂漠で見つけた井戸から汲み上げた水が、二人の心に沁みていきます。

そして無事に飛行機の修理を終えたパイロットが王子さまを探しに行くと、そこにはヘビが…。

コラム:「キツネの教え」から学ぶ、冠詞(a・the)の使い分け基礎英語講座

 

文学と同じく、取り組んでは投げ出してしまう英語学習…。

冠詞(a・the、any・some)の違いも、実際まだピンとこないんだよな…って人、結構多いようです。

その苦手な「a」と「the」の使い分けを克服するヒントが、もしこの物語の重要な部分に隠されていたとしたら…!

それが、王子さまと星のバラとの関係

 

最初、星に一輪だけ咲いたバラを見て、王子さまは「ローズ(という名前の固有名詞)」として世話をします。英語でつづると、大文字の「ROSE」。

わがままなバラと喧嘩別れして地球に落ちてきた王子さまが見た、庭に咲くたくさんのバラ。英語でつづると…「any ROSE」??

王子さまはパニック。まるで綾波レイのクローンを見た碇シンジ状態。

世界にひとつだけの花だったはずなのに…あの星のバラは、実はありふれた花だったと知り、王子さまは泣きます。ここで、星のバラの冠詞が「a rose」に変化します。

しかしキツネから「目に見えない大切な絆」の話を聞き、再び庭園で見たたくさんのバラは「some roses」に変化し、星のバラは王子さまにとってかけがえのない「the rose」へと変化を遂げるのです!

そういえば、星のバラの話をパイロットがないがしろな態度で聞いていたら、「そんなの人間じゃない。キノコだ!」なんて、王子さまにめちゃくちゃ怒られてましたね。

だって、面倒くさい存在だったはずの星のバラが、心配でずっと気になってたんだから…そりゃ仕方ないです。キノコだと言われないように、子どもの話はちゃんと聞いてあげましょう。

 

冠詞の使い分け、何となく理解できましたか?

要するに、指差せるものが「the・some」、指差せないものが「a・any」ということですね。もちろん、固有名詞に冠詞は必要ありません。

これでも冠詞が理解できない方は…英語学習なんかさっさとやめて、和訳の文学作品をどんどん読み漁っちゃいましょう!(笑)

 

「星の王子さま」、読んでみていかがでしたか?

意見や感想など、コメントをお待ちしています。

それでは!

 

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